再生ではなく、新生であらん事を/詩no.08  蒼 様


 


笑うだろうか
笑うだろうか
お前は私を
笑うだろうか
大きく声を空へと向けて
私の事を笑うだろうか
過去も未来も闇に埋めて
差し出された手に顔さえ向けず
命の終演待っていた

己にさえ見えぬ明日の始まり
誰が待つ?
誰が待つ?
護る事など出来ぬと信じ

手にしたナイフを振り下ろしては

汝私を追わぬ様
片道だけの綱を渡る

隣には誰も無く

それでもお前は追って来た
ふらふら揺れる綱を渡り
涙を堪えて私に微笑む
何も知らない純な存在?
ただ私だけを追い
冷えたこの身を抱きとめる
何も知らぬと嘯(うそぶ)く奥の
媚薬の色を
知りつつ落ちた
この私

笑うだろうか
笑うだろうか
お前は私を
笑うだろうか
扉を閉じた筈の私を
静かに静かに訪れ叩いた
忘れていた言葉で

私はお前に恋をした

私はお前に恋をした


始まりも無く
終わりも無く
踊り続ける
人形の様に

私はお前に恋をした

祈りが天まで伸びん事を
祈りがお前に届かん事を

祈りが夢であらん事を
 

 


再生ではなく、新生であらん事を/詩no.08
クラヴィスさま/詩2作目。受け入れる事の重さ。切り捨てる事の酷さと必要性。変化は夢ほど、心は眩しい程の輝きを。

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