LOVE LETTER 〜 ヴィクトール 〜 ぷるりん様


 

夕暮れの聖地
美しい夕焼けと、夜の帳が融けあう時刻
1人門へと近づく人影があった。
かつて新宇宙と呼ばれたこの地の女王・・・・
だった、というべきか。アンジェリークである。

創生の女王としてこの宇宙に多くの生命を息づかせた時
彼女のサクリアは、静かにその役目を終えようとしていた。
そして行われた女王試験。
新女王の決定。
今夜は、彼女の労をねぎらい別れを惜しむ為の夜会が催される予定になっていた。
しかし、彼女は・・・・・・・・・・・・・
茜色の空の下、1人聖地を去ろうとしていた。
なぜなら 
愛する人との約束が、彼女の胸を占めていたから。
女王としての任を終えた今、何よりも大切な事。

宇宙を愛し、宇宙を支え、守り、導いてきた日々。
しかし、今日からは・・・・・・・・・・・
ー私は、私の為の生を生きるー
寂しくも感じながら、一歩一歩門へと歩みを進める。
あの方はいらしているかしら・・・・・・・・
一抹の不安と、大きな期待、そして・・・・ときめきを胸に歩む彼女は
もはや、1人の恋する少女の顔であった。


そして、その時は訪れる。

夕闇迫る聖地の門の外。
彼の人は待っていた。2人が交わした約束の通りに・・・・・・・・・
「アンジェリーク・・・・・・・・」
「ヴィクトール様・・・・・・・・」
あの日から、2人が分かれたあの日から
1度も会う事も無く、手紙を交わす事も無かった・・・かなわなかった日々。
そんな空白の時間など、なかったかのように
2人の心は固く、強く結びついていたのだ。
心のままに、抱きあう恋人たちの背後には
夜空に瞬く一番星・・・・・・・・・・・


このお話は、ぷるりんさまのサイト「Irish coffe」にての「ラブレターシリーズ」の中に収められていたものです。
ラブレターシリーズは「天レク終了直後にサクリアを失ったコレットへあてた、ラブレター」という設定なのですが、
この、ヴィクトール様バージョン、本っ当に凄く綺麗で素敵で、うっとりしてしまい、
ぷるりん様に無理を言って頂いてしまったものです。

キリ番でもないのにごめんなさい!!

ヴィクトール様は手紙を書かない。本当にそのとおりだと思います…。

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