3歳、4歳。



今日は私の誕生日。
6月18日は日食で、空は暗くてみんなの顔も陰って見える。
でもドンケルハイトが手に入るから、アカデミーの中でもそこまでのレベルに達した生徒たちは、今日がとても大事な日だということを 知っている。

ああ、でも。
錬金術師じゃなくても、今日が大事な日だと言ってくれる人もいる。

『今日はお前の誕生日だからな』

蒼い目を細めて私を見降ろして、頭をぽんと叩いて、それからもう一度微笑んでくれるひと。
 
今日から私はダグラスと3歳違い。
7月になったらダグラスと4歳違い。

そんなことを言ったら、ダグラスは不思議そうな顔のまま、いつものように腕を組み、私を見降ろした。

『年下なのは変わんねぇだろ』

そういう事じゃないよ。
そういう事じゃないの。

一杯背伸びして、早くダグラスに追いつきたかった時もあったの。
4歳違いはずいぶん離れている気がして、たった一つの年の差も、嬉しかった時があったの。

あれから何年も経って、4歳違いは大したことじゃないと気づけるようになるまで。
4歳年下の私の気持ちにダグラスが気づいてくれるまで。



だから。
これから先も、この「ひと月」を私はいつまでも大切に思うだろう。



- END -

2013.6.18.



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